2月の園だより

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」

(ローマ12:15)

園長 本田栄一

 

インフルエンザが猛威をふるい、罹患する人びとが増えています。外出は控えて、外から帰宅した折には手洗い、うがいを励行しましょう。体調を整えて無理しないようにこころがけましょう。

今月の聖句を、そのまま実践して生涯を閉じたマザーテレサを紹介します。
マザーはアイルランドの女子修道会で訓練を受けた後、インドのカルカッタの町で教員をしていました。しばらく校長を務め、学校をやめて、ひとりでスラムへ出かけていき、ひとりで活動をはじめました。あまりにも身なりが貧しいので シスターとしてみなされず、相手にされないこともあったようです。

あるとき、マザーがある家族にお米を届けに行きました。大勢の子どもたちがお腹をすかして待っていました。お母さんにお米を渡すとすぐにお米を半分にわけて家から出て行きました。

しばらくしてもどってきたので「どこへ、いったのですか」と尋ねると「裏に住んでいる別の家族に半分のお米を渡してきた」と応えました。その家族も子どもがいて食べるものがなく、困っていたのです。

母親はそのことを知っていたので、マザーからもらったお米の半分を分けることを思いついたのです。

マザーは貧しい人たちが貧しいにもかかわらず、僅かなコメを互いに分かち合うよろこびを大切にしていたことを知りました。

そのこころを尊重するために、その夜はそれ以上のお米はもっていかずに翌日、少し届けておいたというエピソードを読んだことがあります。

その後、マザーは路上でだれからも声をかけられないで倒れているひとを丁重に介護し、最期まで看取るホスピスをつくりました。

そして、そのひとの宗教を尊重して、亡くなったときにはその人の宗教で葬儀を行いました。マザーのこころの機微にふれる働きはいつしかまわりの人びとにも共感を呼び起こして、マザーの働きを排斥していたヒンドゥ教徒にも受け入れられていきました。

宗教の壁をもこえて一人ひとりを尊重し、受け入れる働きは私たちに「宗教」とは何か深く問いかけています。

 

 

 

 


コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

ページ先頭へ