12月の園だより

暗唱聖句「光は暗闇の中で輝いている」ヨハネ1章5節

 

園長 本田栄一

 

12月に入り、アドベント礼拝を経てクリスマスを迎えます。

毎年ページェントをとおしてクリスマスの出来事を再現し、聖書の物語が伝えているよろこびの知らせを分かち合ってきました。ページェント礼拝では、まことの光として到来されたイエスさまの誕生を共によろこびたいと願っています。

 

今月の暗唱聖句は「光は暗闇の中で輝いている」というヨハネによる福音書1章5節のことばが選ばれています。ヨハネによる福音書では1章の冒頭から救い主の到来の知らせを当時の人々の描いていた世界に当てはめて説明しようとしています。イエスさまがお生まれになった時代、パレスチナはユダヤ王家とともにローマ帝国の支配下にありました。ユダヤ社会では権力をもつ支配層、富裕層は「ローマの平和」を謳歌していましたが、民衆は圧政に苦しみ、重い税の取立てにあえいでいました。

 

今日も、イエスさまの時代と同じように世界の富は公平に配分されていません。世界各地で経済格差は拡がり、富の偏在が問題になっています。「貧困という暗闇」が世界を覆っている現実から目をそらしてはならないと思います。

38年ぶりに、ローマ教皇フランシスコが日本を訪問しました。

教皇フランシスコは、来日前、11月17日「貧しい人びとのための世界祈祷日」の行事として、バチカンに約1500人のホームレスを含む貧しい人びとを招き食事会を催しました。食前のミサで法王は、以下のメッセージを語ったと報じられています。

「最近、貧困に関する統計をいくつか見て心が痛みました。社会には貧しい人びとへの無関心がある。競争に躍起になり、取り残された人たちは邪魔者とみなされる。使い捨てにできるとさえ思われている。どれだけ多くの高齢者、子ども、障がい者、貧しい人びとが役たたずと思われているのか。「わが道」を急ぐ私たちは格差が拡大していることや、少数の人たちの欲望が、他の多くの人びとの貧困を増大させていることを気にも留めていない。」

 

「光は暗闇の中で輝いている」暗闇の世界にまことの光として、お生まれになったイエスさまの物語はわたしたちに何を伝えているのでしょうか。暗闇から目をそらさずに、闇に閉ざされて見えなくされている人びとの声に耳を傾け、私たちにできる事を見出していきましょう。

 


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