12月の園だより
暗唱聖句「学者たちはその星をみて喜びにあふれた。」
マタイ2:11
園長 本田栄一
まもなく、アドベントを迎えます。今月の暗唱聖句にはイエスさまの誕生の知らせを星にみちびかれて、東方から博士たちがやってきたという一節が引用されています。
イエスさまの生まれた時代はヘロデ大王がユダヤの王様でした。この王様のもとに、博士たちがやってきて、「お生まれになったユダヤ人の王はどこにおられますか」と尋ねました。この話を聞いて疑い深いヘロデは不安になり、自分の地位を脅かす、新しい王の誕生だとすると一刻も早く見つけ出そうと企みました。博士たちに「どこに生まれるのか」と問いただし、ベツレヘムという町を聞き出しました。
博士たちはベツレヘムに到着し、「その星を見て、よろこびにあふれ」、贈り物をささげ、マリア様のそばに眠る幼子を拝しました。その後、博士たちは夢の中で、天使から、「ヘロデのもとには帰らないように」とのお告げを受けたのでエルサレムに向かう道ではなく、ほかの道をとおって自分の国に帰りました。ヘロデは博士たちから裏切られたことを知って立腹してベツレヘムにいる子どもたちを殺したと聖書に書いてあります。
なぜ、このような悲惨なエピソードが聖書に挿入されているのでしょうか。イエスさまの誕生の知らせを「良い知らせ」とよろこんで聞いた博士たちとは対照的に自分の地位を脅かす「悪い知らせ」と受け止めたヘロデ。この大きなちがいは何でしょうか。
今年のクリスマスも、豊かな恵みに感謝するとともに、わたしたちのまわりでよわくちいさくされている人びとの存在に気づいて、よろこびの知らせを互いに分かち合うときになれば幸いです。