10月の園だより
10月暗唱聖句
「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」
コリントの信徒への手紙Ⅰ3節6節
園長 本田栄一
北海道で大きな地震が起こりました。いまなお避難生活を強いられている被災者の皆さまの健康が守られるように祈ります。
今回は発電所の不具合により、道内のすべての電源が断たれて大きな影響を与えました。酪農家は牛の乳を搾ることができなくなりました。泊原発の電源は、何とか非常用電源を用いて冷却機能が維持されました。万が一、全電源が失われた場合は福島と同じ事故が想定されたと思うとぞっとします。
大震災によって、原発事故がいったん起こってしまうと取り返しのつかない被害を経験しました。人や自然への影響は計り知れないものがあります。にもかかわらず、政府のエネルギー政策は、将来の選択が見通せないままです。福島の経験から学ぼうとしない日本は、世界の国々から不信感をもって見られていることに鈍感であってはならないと思います。
国や、電力会社に求めたいのは、いままでの事故を通して教訓を引き出し、防災に役立ててほしいと思います。近々、大地震による甚大な被害を被る可能性があると専門家は警告しています。軍備にお金を注ぐよりも、災害に備える防災のためにもっと税金を用いてほしいと願います。
今月のテキストは、パウロが創立したコリントの教会に充てて書いた書簡です。教会内で分派活動が起こり、自分はパウロにつく、いや、後継者のアポロにつくと争いが起きていました。パウロはそうした不毛な対立を戒めて、もう一度、原点に立ちもどることを勧告しています。教会とはどのような共同体か、再考を促し、自分たちが拠り所としている原点を想起するために「自分たちを成長させてくださった方」を仰ぎ見るよう求めています。すべての共同体というものは、中心点を見失うと気づかぬうちに疑似共同体に堕していく危険性があります。わたしたちも、シオン幼稚園という教育共同体の中心に、何を仰ぎ見るのか、吟味することを怠らないように心がけたいと思います。