7月の園だより
7月暗唱聖句
「主よ・・・わたしたちにも祈りを教えてください」
ルカによる福音書11章1節
園長 本田栄一
皆さんは、どんなときに祈ってきたでしょうか。多くの人びとが初詣には、神社仏閣をお参りしてよい年になるように健康が守られるように祈願します。また、合格祈願にお参りする受験生も多くあります。困ったときの神頼みを否定はしませんが、ご利益だけもとめて神仏に祈るのはいかがなものでしょうか。
祈りが人生を支えることを教えてくれたのは母の祈りです。
幼少期から、母は、毎朝、家を出るときにわたしの手を握って祈ってくれました。
小学校の低学年のときは素直に従っていましたが、高学年になると恥ずかしい気持ちが先だって、友だちの目から隠れたいとの思いで過ごした期間もありました。しかし、いまにして思えば母の手のぬくもりとともに子どもをおもう気持ちを毎日伝えてくれたことを感謝しています。母の祈りは神さまが見守っていて下さるので安心しなさいという祈りでした。そのおかげで穏やかな気持ちで学校に出かけられたように記憶しています。
毎月11日は東北大震災の月命日です。いまも、被災地では月命日には多くの人びとが、亡くなった人びとを覚えて手を合わせて祈っています。海に向かって祈るすがたには亡くなった方々への思いと切り離せない祈りのことばでしか言い表せない思いが表出しているようにみえます。
幼いころの風景のなかにも、道端のお地蔵さんに近所のおじさん、おばさんが手を合わせる姿があったことを思い出します。祈りの風景も、時代と共に変わってきたことに気づきます。わたしたちも現生利益のみを求めるのではなく、いのちを与えられている日々を感謝し、こどものために祈るひとときを大切にしましょう。必ずや、その思いは子どもに伝わり、いつの日か、気づくときがくると思います。