12月の園だより

12月の暗唱聖句
「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」
ルカによる福音書1章28節

園長 本田栄一

266549b今年のアドベントは11月27日より、始まりました。幼稚園でもアドベント礼拝をささげてクリスマスを迎える準備を進めています。シオンの子どもたちは恒例のページェントを通してご降誕を待つことの意味をひとりひとりが模索しはじめています。

ルカによる福音書では天使ガブリエルを通して誕生の知らせがマリアに「おめでとう、恵まれた方、主があなたと共におられます」と伝えられます。『受胎告知』の一場面として、フラ・アンジェリコ、レオナルド・ダ・ビンチなどによって描かれてきたので、ご存知の方も多いでしょう。天使ガブリエルが突然、告げる知らせを聞いて不安な面持ちのマリアが描かれています。マリアとヨセフは婚約中でした。紀元前後のユダヤでは婚約も法的には結婚と同じ契約関係にありました。マリアが妊娠した事実に対して考えられる社会的な反響は現代とはまったく正反対の状況でした。一言で言えばスキャンダラスな非難の対象でしかありませんでした。しかし、そのような不安と逆境のなかで、天使のお告げを受け入れ、「主のはしためです。お言葉どおりになるように」とマリアは応えました。

625861そして、神を賛美して歌ったのがルカ福音書1章後半にある「マリアの賛歌」です。
1:48節の「この主のはしためにも、目をとめて下さった」との箇所を岩波書店刊行のマタイ訳では「そのはしための悲惨をかえりみてくださった」と訳しています。残念ながら、マリアの心境を想像することはできないのですが、唯一マリアの心境を読み解く鍵は、「マリアの賛歌」の冒頭部分の一節です。「私の魂は主をあがめます」の「あがめる」は相手を大きくする、神を神としてあがめ、自らをちいさくするという意味です。マリアは自らを小さくされた者として認識していました。自分には神様の前では誇るものは何もないというマリアの深い自己省察が表現されています。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適うひとにあれ」という天使の知らせも、神さまの栄光を讃えると同時に平和を求める祈りでもあります。天使の賛美は平和な状態から程遠い、闇に包まれて見えなくされている人びとの存在に気づかせ、声が届かない人びとの声に耳を澄ますように促しているのではないでしょうか。

hana


コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

ページ先頭へ